* 「あー、あと30分で本番かー」 「もーチューニング室行く時間だって!」 会場についたあと、少しだけほかの学校の演奏を聞いた先輩達は、自分達の演奏準備のため次々と静かに席を立つ。 薄暗い会場の中でも、先輩達が緊張しているのが伝わってきた。 「頑張ってください...!」 「ん。ちゃんと見ときんよ!」 アルトサックスの先輩が、私の手をぎゅっと強く握った。 先輩はそのまま、本番の舞台へと足を運んだんだ...。