「シオ、着いたよっ!」

「え...?あ、うん...」


寝起きのフリをしながら、ゆっくりと起き上がる。

あの後みんな疲れて静かになったけど、私の心臓はずっとうるさいままだった。

あんな状況で頭の中が静かになるはずもなくて。


「もー、寝すぎ。色々あったんだよー?」

「ごめん、アヤ...」


顔をあげた瞬間、一瞬、本当に一瞬だけソウちゃんと目が合った。


ばっ...


視線をそらしたのは私だった。