一瞬。ほんの一瞬。
幼馴染でも、友達でもなく。
私のことが好きだと言ったように聴こえて__ドクンと胸がなった。

けれど違う。
リョウスケが言ったのは「音」の話で。


「...ありがと」


リョウスケは、なんてちょっと考えた顔をしたけど、すぐに笑った。


そのまま、いつもみたいに昨日見たテレビの話とかペットの話とかをして、月の下を2人で歩いた。



...だけどね、私のどっかに。



「あのね、人って好きな人の音が、いちばん好きなんだよ?」




なんていうアヤの言葉が、ひっかかっていた。