申し訳なから先に帰っていいよ、と言うんだけど、リョウスケが私の帰りを待ってくれていなかったことは今までに一度もない。

リョウスケはソウちゃんを怪訝そうに見つめたまま一言も発しなかった。


「...ふっ...はは」


ソウちゃんがいきなり笑ったと思えば、リョウスケも「は?!」って顔。

どういうことなのかわからず二人を交互に見る私。
なんだかとっても変な図だ。


「大丈夫だって。...同じパートなだけ」


ソウちゃんがそう言いながら教室を出ていく。
「じゃあ、明日ね、シオ」なんて手をふりながら。


リョウスケは、気のせいか顔を少し赤くして「余計なお世話だっつーの...」なんてつぶやいていた。