大会がもうすぐってこともあって、最近はほぼ1年生だけのパート。
つまり、1日の大半をソウちゃんと2人で過ごしていた。

そりゃあ、嬉しかったりもするんだけど...。

ソウちゃんは、かなりのスパルタで、今のようにちょっとでもできてないと、ひどく険しい顔をして凍った声をだす。

もしかしたら先輩よりも全然怖いかもしれない。


「確かに難しいかもしれないけどさぁ...」


ソウちゃんの目が楽譜から私へうつる。


「シオならできると思ってこの楽譜渡されてるわけなんだから」


ソウちゃんが再び大きな溜息をついた。


「...今日の終わりに、ここまでテストするから」


この楽譜3日でマスターできるレベルなの?!と疑問をもつけど、やるしかないらしい。
私は必死にサックスに向き合った。