*
「はぁー・・・・」
深く着いたため息。
大きく揺れるバスの中、隣のアヤが私の手を握った。
「去年・・・この大会の帰り道、覚えてる?」
真剣な目に、私も大きくうなずき返す。
「当たり前だよ・・・」
「みんな、泣いてて」
「・・・来年は」
「今年こそは」
「「全国へ行こうって、泣いたんだ・・・」」
そう、あの日。
全国へ進めなかったあの日、ソウちゃんと約束したあの日。
今でも鮮明に思い出せる。
私たち3年にとって今年が最後。
最後の夏。
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