ねぇ、リョウスケ。
例えば、私が
あの日ソウちゃんを好きにならなくて
あの時吹奏楽部に入らなくて
あの場所でソウちゃんに出会わなかったら
きっと、こんな想いしてなかった。
きっと、リョウスケのこと好きだった。
楽しくデートして、「スキ」って言い合って、手をつないで、笑い合って。
でも、それでも。
あの日、あの時、あの場所で
私はソウちゃんに出会って、恋をしてしまった。
「好きだ」って感情を、知りました。
でも、何も得なかったわけじゃない。
リョウスケは、私にたくさんのものを与えてくれた。
答えをくれたのは、いつだって君だった。
そして、君がくれたのは抱えきれないほど大きな愛だったんだよ。