「結局、文集の作業も終わらなくて・・・明日先生に怒られちゃうね」


目を真っ赤にしながら咲さんがそう言って笑う。


「・・・大丈夫。・・・多分」


「ダメじゃん!」


アハハッて、笑った声が帰り道の星空に響く。




本来、待っているはずのリョウスケやソウちゃんには、先に帰ってもらったのだ。





咲さんと、こうして2人で帰る日が来るなんて思いもしなかったな。





「・・・はーぁ・・・それにしても、男子はみんなシオちゃんみたいなかわいい子が好きなんだなー・・・」



「えっ?!な、ナイナイ!ありえないよ!それに、本命には、バッサリ振られてるし・・」




咲さんが、「ふっ」って一回笑って



「そういうとこなんだね、シオちゃんの可愛いとこ」



なんて少し切なそうにつぶやいた。