受け取ったプリントを、私は再び落としてしまった。


バサッバサバサバサッ




「・・・・あーあ・・・」



〝せっかく拾ったのに〟とでも言うように、咲さんが静かにしゃがみこむ。


それでも、さっきと違って私はその場にしゃがみこむことさえできかなかった。





『ソウのこと好きだったんだってね』





言われた言葉。

冷たい目線。


そして、わざとなのか、そうじゃないのか――咲さんは、『すき〝だった〟』と、そこだけ強調したように思えた。



手に握る汗と、震える脚。




何で、知ってるの?



何で?




―――そんなの・・・・














ソウちゃんが、言ったの?