手足長いな、とか。

目大きいな、とか。


考えてるだけで、意味のない敗北感。


ヘンなの、最初っからこの人には負けてるというのに。



「――――シオちゃんってさ・・・」



不意にかけられた声に驚いた私は、積み重なったプリントと、もっていたホッチキスを落としてしまった。


カランカラン・・・



「あ、ごめんなさっ・・・・」



咲さんがゆっくり立ち上がって、落ちたプリントを拾っていく。

その指が、なんて長くて細いんだろうと思いながら私もあわててしゃがみこむ。



「・・・・・」



プリントを拾っている間、何もしゃべらない咲さんが怖くて、顔を上げることができなかった。


なんだろう。


ヘンに緊張して、汗までかいてる。



何で?



ソウちゃんの、『彼女』だから?