パチン・・・パチン・・・・



刷り終わった全員の文集用紙を、一個づつホッチキスでとめていく。

そんな面倒な仕事、文集委員以外の人がやるはずもなく――私と咲さんは、放課後の教室に2人残って作業していた。


ちなみに、本来なら部活があるんだけど、

この時期にどこのクラスも最後に何かをするから、それの担当になった人は部活を休んでもいいというルールが吹奏楽部にはある。



「・・・・・・」



それにしても、なんなんだろうか。


咲さんとは、同じ文集委員になったものの――


というか、その前に同じクラスなのに、ほとんど話したことがなかった。


それこそ、名前で呼び合ったこともないかもしれない。




手だけ動かしながら、チラリと咲さんを見る。


サラサラの髪を高く縛ったポニーテール。

テニス部なのに肌の色は割と白くて、化粧しているわけじゃないのにまつげもながい。





・・・いろいろ違う、私とは。