家に入って、もらった袋を開ける。

出てきたのは、あのネコのストラップだった。




涙が、止まらなかった。




本当はあの時。

リョウスケに手をつかまれて、顔が近付いてきて、本当は。


本当は、拒める時間があった。

それは、きっとリョウスケが私にくれた迷いの時間だったんだと思う。


拒めたのに、拒めなかった。





ファーストキス。


それは、彼への罪悪感。