ハッとして、顔を上げる。
リョウスケにはきっと、そんな私の考えはお見通しだったんだ。
見透かして、そして、今こうやって手をつないでるんだ。
「俺、アイツの前だからってシオの手離したりしないから」
_______私、馬鹿
昨日の夜、決めたじゃないか。
ソウちゃんのことは、あきらめる。
リョウスケのことを、好きになるって。
リョウスケは、こんなに私に真っ直ぐ向いてくれてるのに。
ソウちゃんの前だからって、手を離そうとした自分が――恥ずかしい。
ぎゅっと、リョウスケの手を握り返す。
私、リョウスケの事好きになる。
リョウスケは、握り返した私の手を見て
「シオ・・・」
って、優しく名前を呼んでくれたんだ。