ソウちゃんにフラれた時、また大泣きする私を、リョウスケはあの時みたいに抱きしめてくれた。
手を引いて歩いてくれた。
それだけで、私には十分だった。
「シオは、まだアイツの事好きなわけ?」
「・・・・うん」
「・・・・ふーん・・・」
「ははっ・・・変だよね。フラれたのに。キレイさっぱり諦める方法とか、教科書に載ってればいいのになー」
「・・・・」
諦めたいわけじゃないのに、諦めなきゃならない想い。
――ソウちゃんが好き。
諦めたいなんて、本当は嘘。
だって今日だって、ホントはどっかでソウちゃんが見ているんじゃないかって、浴衣を着て。
きっとまた違う日にこんなお祭りがあったら、私はソウちゃんを誘ってしまう。