それはずっと、私がちゃんと彼に言いたかった言葉だった。
「リョウスケが、あの日、どーして吹部に入りたいかって聞いてくれて、私答え見つけられたんだ」
まだ、林檎飴の甘さが残る口の中で、ゆっくりと息を吐く。
「結果的には、全国には行けなかったけど・・・私、もっと大事なもの見つけられた気がする」
「・・・シオは、いつも深く考えすぎなんだよ。その上、行動するときは頭真っ白で思い付きばっかりだろ?」
「・・・うん。それはそうかも」
「もっとシンプルでいーんだって。」
ほら。
そうやってリョウスケは、また私に言葉をくれる。
それがいつも、私の答えになるんだ。
「・・・あ、あと・・・あれも・・」
「あれ?」
「その、ソウちゃんに・・・ふられた時。励ましてくれて、ありがとね」
「あぁ・・・」
思い出したように、リョウスケは空を見上げた。