そして、一通り出店をまわった私たちは、人ごみを避けてちらほらと人の通る路地裏に会ったベンチに腰かけた。



「つ、か、れ、たーっ!!」


「それ、こっちのセリフだって」


「なによー」


「シオがあれも見たいこれも見たいって動き回るから」


うるさいなーなんて言いながら、リョウスケに買ってもらった林檎飴にかぶりつく。



「・・・暑いね」


「・・・人多いし」


「・・・林檎飴おいしい」


「そ?それはよかった」



もう一度林檎飴にかぶりついてから、私はすっと息を吸った。






「・・・リョウスケ、ありがとう」