「でも、ソウがまさか本番でリードミスするとは思わなかった」



そう言ったのは、目の前でお弁当を広げるアヤだった。



「でも、そのあとの演奏がボロボロになったのは、ソウちゃんのせいじゃないよ・・・」


「はぁ?あったりまえでしょ?私が言いたいのはそういうことじゃなくて」



アヤは、ゴクンをお茶を一口飲んでから、



「あの後、どーやってソウを励ましたのよ?」



そう言った。

・・・やっぱり、アヤ知ってたんだな。
結果発表の後、私がソウちゃんを探して走って行ったことを。



「別に・・・普通に・・・」


「何よ!言いなさい!」


「えぇ・・・」



そうだ。
あの時は何とも思わなかったけど、

今思えば、ソウちゃんに抱きしめてもらったとか私超ラッキーなことしちゃったよね?


しかも、忘れかけてたけど、本番前、ソウちゃんは・・・



カアァァァァ



思い出しただけで赤くなった私を見て、アヤはさらに興奮した。