――「ソウちゃんっ・・・!」



会場を出て、すぐのところのイスにソウちゃんは腰かけていた。


顔は、決してあげない。





「ソウ、ちゃん・・・」



顔を、あげてよ。

いつもみたいに笑ってよ

余裕たっぷりの笑顔で




「・・・俺、カッコ悪すぎだよな」



ハハッ・・・

ソウちゃんの薄い笑い声が、廊下に響く。








「・・・俺のせいだ」







――ねぇ、どうして?

どうして、そんなこと言うの

どうして、そんな顔するの?





気づけば、私はソウちゃんを抱きしめていた。