「・・・リョウスケ、私・・・ソウちゃんにひどいこといった・・・」
「うん」
顔はあげられなかった。
歩くスピードもカメくらいに遅くて。
それでもずっと繋いでいてくれるこの手の主に、話さなければ、と思った。
「私が一番・・・一番、知ってた、はずなのに・・・っ・・・」
声を出すと、自然にまた涙があふれてくる。
「才能があるから、なんて・・・私は、ソウちゃんのことばっか考えて・・・努力も、しないで・・・っ・・・ホント、最低で・・・っ」
どうしたら、いいの?
努力。
練習。
私はいつだって、『ソウちゃん』ばっかりで。
あぁ、1年生の子と一緒じゃないか。
最近私は、自分が納得いくほどの練習をしたの?
「シオは、どーして吹部に入ってんだよ」