鋭い目線で、私をとらえたまま。 ソウちゃんが、歩き出した。 私の横を、さっそうと通り過ぎる。 言葉が、見つからなかった。 私、ソウちゃんに何を言ったの。 だって、だって、だって、 一番。 一番わかってたはずじゃないか。 ソウちゃんの手の皮の厚さ。 誰よりも早く音楽室へやってきてサックスを吹く姿。 私が一番、 彼が誰よりも努力していたことを知っていたはずなのに。