「シオ」 切ないながらも、彼のその声を聞いただけで、胸がぎゅっと苦しくなった。 振り向かなくてもわかる。 この声は、間違いなくソウちゃんだ。 好きなの。 どうしようもなく、ソウちゃんが好きなの。 でもね、 今は、ソウちゃんの顔、見れないの。 苦しくて、 辛くて、 黒いものが、私の中を支配してるの。 「・・・シオ」