全員でのあいさつと基礎練習を終えて、私たち個人組はいつもの教室に向かった。



サックスは2-Bか。



ガタンッと、置いた譜面台の音とほぼ同時に、上の階にある音楽室から、合奏の音が聞こえてきて。




涙が、出た。




悔しい。



悔しい、悔しい悔しい悔しい。





私だって


私だって



私だって









サックスが吹きたい。










なのに、私の音はこんなに。



こんなに、くすんでる。