次の日からの練習は、合奏メンバーはせっせと音楽室で合奏の準備を始めていたけど
私みたいな選ばれなかった人たちは、同じくせっせと個人練習の準備をしていた。
昨日、あれから、ソウちゃんとは目を合わせていない。
先輩も、決して私たち2年を見ようとはしなかった。
私だって、ナガシマくんのこと平気で見れるほど強くない。
――あぁ、〝バラバラ〟だ。
音楽にとって、一番ダメなこと。
それは、音が、想いが、〝バラバラ〟になっていくことだと、
中学時代もサックスを吹いていた私は、痛いくらいわかっているはずなのに。
ぎゅっ...
握りしめた私のサックスが、
いつもは輝いていた私のサックスが、
今日は、まったく元気がなくて。
自分の音が、どうしても大っ嫌いになった。