「ソウちゃんは、どうして咲さんとしゃべらないの?」
ソウちゃんが、はっとした顔で「今その話?!」なんて恥ずかしそうに頭をかく。
気になることがたくさんあった。
今日のモヤモヤも、全部含めて。
ソウちゃんに聞きたかったことは、結局は咲さんのことだった。
教室で、咲さんも、ソウちゃんも同じ組なのに。
会話も、あいさつも、目を合わすことすらしない。
どうして?
それがずっと気になってたんだ。
「シオって、ヘンなとこで勘が鋭いんだよなぁ」
ははっと笑ったソウちゃんの顔は、うつむいていて見えなかった。
あぁ、外はもう真っ暗だ。
「...付き合ってたんだよ、俺ら」