「...ごめん、シオ」


そう言いながらソウちゃんが楽器を片付けている私にミルクソーダを差し出してきた。


なるほど。
これは去年、私がソウちゃんにあげたヘンテコな形の、あのミルクソーダ。


「...」

「ごめんって」


先輩も後輩も、もう帰った。
この時間帯を見計らって、きっとここにやってきたんだろう。


嬉しくて。

ソウちゃんが、私なんかの為にこうやって待っていてくれたこととか
、このミルクソーダを覚えていてくれたこととか、買ってきてくれたこととか


...嬉しくて



好きになった時点で、あぁ、すべて負けてるなって思ってしまった。



「ソウちゃんの、バカ」