*美術室*

「初めまして。今日から一年B組担当します。丸山聡です。」
私は一年B組になり…初めてこの学校の教室に入り、自分の席に座った。…知ってる人ばかりなのにものすごくみんなガラリと大人になっていたことに驚きが隠せなかった。…自分が明らかに浮いてたけど。
小学の頃から仲が良かった友達とはクラスがわかれてしまったため…一人になってしまった。私は席に座りながらいろいろと頭の中で考え事をしていた。

「…赤穂さん?赤穂さん?」
ハッと我に返り顔を上げると担任が私の顔を見て心配げな顔をしていた。周りの人達からも目線を浴びて私は苦笑混じりに
「あ…ごめんなさい」とだけ謝っておいた。担任は私をしばらく見つめた後再び説明し始めた。…私怠けた顔してたんかなぁ…?なんて思いながら仕方なく担任の話を聞くことにした。

…さすが長い。みんなは緊張からなのか真剣な表情のままだったけど、私だけ多分…顔あきらかに死んでるんだろうなぁなんて思った。

「それじゃあトイレや水飲みいってくる人はいって、それ以外の人は廊下にならんでください。」
やっと教室中がガヤガヤとなりはじめた。友達に顔出ししたいところだったが…残念ながら時間がなく。私はしぶしぶ並んで待っていた。そして…二年生にコサージュをつけてもらい…廊下に待機した。なぜか急に緊張感に追われ…いまさらになってソワソワし始めた。

−ガラガラッ

明るい眩しい光が私の目を細めた。
吹奏楽の豊かな音楽とみんなの拍手に包まれながら私達は体育館に入った。