…同じ課の子たちが狙うのもわかるわね




顔よし、性格よし、将来有望とあれば、誰でも狙うだろう。





…速水さん、大変なんだな…




…私は、ため息をつきながらそんなことを考えていたのだった。









私たちが樋渡を後にした時には、すっかり日が暮れてしまい、街にはキラキラとネオンの光が輝く。




『速水さん、今日はお疲れさまでした!速水さんあんなに仕事できるなんて正直、思ってなかったんで、ちょっと尊敬しちゃいました』





私は、そう言いながら速水さんの隣に並ぶ。





『そ、尊敬って、嬉しいような、嬉しくないような…』





そんな私に少し驚きながらも苦笑する速水さん。