二人で喋りながら森を歩いてると、ようやく目の前の緑色のカーテンが開き、本宅が見えてきた。



「あれが本宅だ・・・」



歩いて20分・・・


同じ敷地内とは、考えられない広さを実感する。



エントランスには撫子さんがまだかまだかと私を待っていた。



「克敏…ありがとう」


「俺は庭の手入れに戻る」


克敏は私を撫子さんに引き渡して、森へと引き返していった。



「ご迷惑お掛けしました」



「私も少し…悪いコトしました…若奥様」


撫子さんは今朝の強引さはなく、私に謝ってきた。


結生が何か撫子さんに言ったのかな?



「私…集めた募金をどうすればいいのか?分からなくて」


「応接間でゆっくりとお話をしましょう」



「はい」