俺のプライドを粉々に砕いたのに、コイツに本気で惚れてる。



俺たちに近づこうとするシンを睨み据えた。


俺は嫉妬の刃を皆に向けて、麻有に近づく男を排除する。



俺の世界は麻有中心に回ってる…



シンは俺の視線にたじろぎ、背中を向けた。



「苦しい…結生」



「克敏のコトで話がある…部屋に行くぞ」


俺の胸板に顔を押さえつけられていた麻有。


少し抱擁の緩めると、顔を上げて夢中で餌を求める金魚のようにパクパクと酸素を吸っていた。


その仕草に俺の鼓動は脈を打つ。