結生の好きなメニューだと知って別に…シチューにしたワケじゃあないんだけど。



他の皆も瑠伊君と同じコトを思っていた。



「このシチューは兄貴のリクエスト?」

リンがシチューを食べながら、無言で食べる結生に問いかけた。



「別に」


「でも、兄貴が夜遊びもせずに真っ直ぐにウチに帰って来るなんて…珍しいね」


「うるせぇ~。黙って食え!リン」


結生はグーズグレーの瞳で睨み据えた。


「!?」


リンのシャツの胸ポケットに入ったスマホが振動する。


リンはスプーンを置いて、ポケットからスマホを取り出し覗き見た。



「栗原さんからだ…社長がご帰宅だって」


「そうか・・・3人で直訴するぞ!!」


「この間…親父が買った…ワイン持って行こうか?兄貴」


寡黙だったシンまで何だか…意味深な言葉を発する。