そう思ってたのに蛍が話し出す


『いや、それはないね、しかもさっきその男に会って来た、沙菜の事俺に譲ってくれだとよ、しかも沙菜はそいつが好きなの間違いないよ、だって俺沙菜に言ったからね、好きだから諦めないって、沙菜が淋しいならバンド辞めてもいいって、沙菜のそばにずっと居るって、バンド辞めて欲しくないなら無理やりにでも向こうに連れて行くって、そしたら沙菜さ、なんて言ったと思う?』


完全に蛍の目つきは怒りと悲しみに包まれてた


『なんて言ったんだよ』


恋が聞く


『ごめんなさいだって、俺は悪くないからって、淋しさに耐えれなくて私がフラついたのって、彼と居たいから蛍とは居れないとか言いやがったんだよ』


蛍はそう言い近くにあった椅子を蹴る


私はあまりの怖さに恋の服を掴む


沙菜が何を思ってるのか全くわからない


なんてあんなに蛍を思ってたのに、離れたら気持ちまで離れてしまうのかって考えたら悲しくなって来て涙が零れる



その日の蛍は本当に怖くて別人に見えた



作業を中止して那珂は蛍をなだめる為に連れて行ってしまった



『恋、あれは蛍だよね?』


恋に聞く


『ああ、那珂が始めて蛍連れてきた時と同じ目をしてた、なにも信じれなくなってさ、この世界に憎しみしかないみたいなそんな目だよな』


恋はそう悲しそうに言う


『私、、、沙菜に会ってくる』


恋にそう言う


だってこんなのおかしいよ


『一緒に行こう、俺も沙菜ちんと話したい』


恋に言われて頷き二人で沙菜に会いに行くことにした