夜部屋に恋と居る



でも恋はずっと黙ったまま何も言わない



『恋?』


『ん?どうした?』


『怒ってる?』


『いや、考えてる、ごめんな、普通ならさ、行けって言うべきなんだよな』



恋がそう元気なく話す



『恋、私ね恋と出会えたから今の私が居るんだよ、あの時恋が私を見つけてくれなきゃ今でも一人で居たと思うんだ、私にはね恋が一番必要なの、だから恋が行くなって言うなら行かない、いいの恋が居てくれたらそれでそれだけでいいの』



そう恋に伝えた


本当のことだから



恋は私を抱きしめて言う


『行けよ、でも絶対帰ってこいよ、春休みの間だけだからな、絶対春休み終わったらここに帰って来いよ』



私は頷く



『当たり前でしょ?私の居場所はここなんだからありがとう、私行ってくるね、ちゃんと話してくるから、だから待っててね』



そう恋に伝えた



『ああ、待ってる、あー一人で行かせたくないな、俺も一緒に行こう』



『え?本当に?一緒に行く?』



『いや、行きたいけど結城に怒られそうだな』



『だよね、多分那珂にも怒られちゃうよ』



私が言うと恋が笑う



やっといつもの恋の笑顔に戻った


安心した



こうして私は一人で旅立つことになりました