まあ多分本当は歩も淋しいよね


いくら会わないのに慣れてても海外は遠いいよ


『歩無理しなくていいからね、ワガママ言えばいいんだよ、結城社長ならどんなワガママも聞いてくれるよ』


『そうだよね、明のためならなんでもしそうだもんね』


なんて笑う歩


そろそ時間だから歩と佐野さんだけにしてあげようとみんなが二人から離れた


『恋はさ、私が遠くに行ったら淋しい?』


ふと思い聞いた


『淋しいの通り越して生きていけない、だから離れちゃダメ』


恋が言う


『ダメなんだ、あのね、私、、、』


そこまで言って辞めたんだ


『なに?流加どっか行くの?』


那珂が聞いてきた



行くわけじゃないんだけど、考えてたんだよね



数日前流矢から渡された手紙を読んでから



『流加?ダメだよ、絶対無理だからね』



恋が言う



そう恋には流矢から渡された手紙の事を話したんだ



そして恋は言ってくれた



『そばに居てよ、流加の居場所はここだろ?流加の家はここだから』


私は静かに頷いたんだけどずっと考えてたんだ




旅立ちの時だからこそ今やるべきことなのかもしれないと



まあ恋と別れるとか言うわけじゃないしバンドを辞める気もない



ただこのままじゃ行けないということだけはわかってる