その時兄貴が聞いた言葉が…


『金目当てじゃなきゃ結婚しない』



そう言ってたらしく



それだけ俺に伝えてから兄貴は逃げる様に家を出た



『姉貴ももう結婚してたから家にあの女が来てから寄り付かなくなった、兄貴が居なくなってからあいつは俺にちょっかい出して来るようになって…耐えるしかなかった、でも耐えきれなくなったある日俺はいくあてもなく家を飛び出したんだ』


そうあの時俺はもう家に帰らない覚悟で飛び出した



『その時俺が拾ったんだよな』


那珂がそう説明してくれた



『そうそれからは那珂の家に逃げ込んだ、父さんは結局俺たちが家を出た理由を話しても信じてくれず結局あの女を信じたんだ、だから俺はもう諦めた…生活費は今は兄貴が出してくれてるまあバイトしてたまに稼いでるけどね』


これが俺の過去


今ここに俺が居る理由



だから俺は二度とあの家には帰らない


俺にもここしか居場所は無いんだ


あの日那珂が拾ってくれたから俺は俺で居れるんだ