時には



「ねぇ!!海、行きたいな!!」



箱の上でそう呼びかけた。

綺麗な綺麗などこまでも遠くに続くあの海に。



海に







『紫帆は海が好きなのか』




「好きじゃないよ」


反射的に答えた私はぽかんとしてしまった。

ってことは嫌いなのかな

わかんないや





『・・・』




「山!!山行きたいな!!」



『山好きなのか』



「えっとねっ!」

『好きじゃない』




ゴンは笑っていた。


私もなんかおかしくなったから笑ったんだ。


二人共なんかおかしくなってずっと笑ってた。







「どこか行きたいなあ」