「今・・・どこにいるの?ゴン、お話したいねえ、ゴン」
私は布団を口元まで持っていって話す。
頬が熱い。
こんなにも胸が踊る毎日が私には幸せすぎだった。
「ねぇ、ゴン?」
『・・・中庭』
その返事を聞くや否か私は一目散にベットを飛び降り駆け出す。
いつもちょっとずつ降りる階段は一段飛ばし。
駆け出す足はリズムに乗って。
「・・・ーっ・・・ーっ・・・ーっ!」
『・・・馬鹿か。なんでそんなに急いで来たんだ』
こちらに顔を向けずにそう呟いた。
ゴンはベンチに座って空を仰いでいた。
まん丸のお月様を見つめている。
「お空、きれいだねぇ!!」
私はくるりくるり回りながらその場で舞う。
楽しいなあ
楽しいなあ
きれいだなあ
「ねぇ、ゴン!!」
『・・・』
「きれいだねぇ!!」
『・・・ああ。』
その覆い隠している目にもきっとあのきれいなものが見えているはず。