この人の幸せを思って。



あの時はそう思っていた


でも、それはただの思い込みであって、先輩の幸せは、先輩が決めること。


それなのにあの時の俺は勝手に決めつけて、逆に先輩をこんなにも傷つけていたなんて





「今更だよな、お前にはもう付き合ってるやつがいるもんな。さっきは悪かったな、邪魔して」



蓮とのことを勘違いしている


「違います!!さっきのはただの同僚で..」


「じゃあ、お前は同僚とキスするんだ」


急に低くなった声にビクッとし、何も言葉が出てこない



「...前にも聞いたけどさ、お前俺以外に何人と寝た??何人にその体触らせた??何人にあんな声聞かせて、何人にイかされた!?」


怒鳴るように俺に言葉を浴びせ、先輩は何も答えようとしない俺にため息をついた




...呆れられた


そう思った瞬間、先輩に抱きしめられる


「俺は、お前の6年間を知らない。だから、全部知りたい...」


先輩は俺の首筋に顔を埋め、唇で鎖骨をなぞる



ビクっと反応してしまう体が恥ずかしくて、俺の体温は一気に上がった