ゆっくり指示された場所に座る


ねぇ先輩。今何を考えてる?



俺は、もう昔にタイムスリップしたみたいに、ジーンと心に何かが広がってます



懐かしさなのか、

愛しさなのか、

苦しさなのか、

切なさなのか、


とりあえず、いろんなものが俺の心を揺らしていた






「もう、あの頃には帰れないんですよね」






俺は、そんなことを呟いてしまった


ハッとして、先輩を見るとものすごく悲しげな瞳を俺に向け、何か言いたそうに俺から顔をそむけた



「...俺は、進めたいよ。」


ふと先輩が、小さな声でつぶやく


「俺は...俺の気持ちは、ずっとあの頃のまま動いてない。時間だって、あの時のまま。お前が引っ越したって聞いたとき。そのころから、俺の心は...時間は、止まったままだ」


先輩は俺の方を向き、そっと頬に手を添える