「どうして、あそこにいたんですか?」
隣で車を運転している先輩に俺は恐る恐る話しかけた
すると、真剣に前を向いていた瞳がチラリと俺を見て、また前を向く
「・・・」
...なんで、何も言ってくれないんだろう。
沈黙が流れ、気まずいまま黙り込んでいると、ある建物の前で車が止まった
「...がっこう??」
外を見ると、そこには昔通っていた高校があった
先輩に出会い、恋をして、幸せな生活を送った場所
先輩と別れ、傷つけ、苦しんだ場所
「降りて」
そう言いながら、先輩はシートベルトを外し、ドアを開け、外に出た
今は、深夜1時過ぎ
もちろん真っ暗闇で電気1つついていない学校
俺に軽い視線だけ送った先輩は、学校へと歩き出す
俺は、急いで車を降り、先輩の後を追った