先輩は、どうして悲しい顔をしたんだろう


どうして怒っていたのだろう


どうして今更俺を抱いたりしたんだろう


どうして先輩は.......。



俺は今、先輩のことで頭がいっぱいだった





(ダメだ。もう行こう...)

俺は腰の痛みを我慢しながら立ち上がり、扉へと向かう



どうか誰にも会いませんように。


そう願いながら扉のノブを回すと、押してもいないのに扉が勝手に開き、驚きのあまりバランスを崩す



しかし、倒れることはなかった





「.....先輩。」


願いかなわず、今一番会いたくない人に会ってしまった



「送ってってやる。さっきはちょっと激しすぎた」


その言葉に、その時の記憶がよみがえり、顔の体温が上がる


「仕事も終わったし、行こう」


そう言って、俺の手を引く先輩の手を俺は振り払った