再び唇を重ねようとする先輩の口を、俺はとっさに両手で押さえた


いかにも「なんでだよ」と言いたげな眼で俺を見る先輩


だって...



「ここ、でするのは...ちょっとどうかと。..あと、」


俺は、一息飲んだ後



「もう、俺は昔の俺じゃありませんし、こんなの...今更、」


視線を反らし、小さな声でそう呟く




俺の中で、今、理性が勝っていた




会えてうれしい。

それは事実だし、キスだって嫌なわけじゃない



だけど、今更、また先輩と一緒に幸せになれる


そんな希望は、俺は抱かない



例え、過去と今の気持ちが1ミリも変わっていないとしても...