上司と名刺交換が終わり、出口へ向かう上司の後ろをついて行こうとすると



「村木さん、すみません。彼を少しお借りてもよろしいですか??先程、話が盛り上がってしまいまして、もう少し話したいのですが」


そう言って、俺の二の腕辺りを掴んで、自分の方へと少し引き寄せる



一瞬困惑を見せたが、一瞬にして何かひらめいたように俺を見た



「お前、もう上がっていいぞ。少し早いが得意先の方のお願いだ。こんなやつで良ければ、どうぞご自由にお借りください」


「ちょっ!村木さん!?」


満面の笑みを見せる上司に俺は慌てて声をかけるが



「では、申し訳ありませんが。お言葉に甘えます」


そんな俺の言葉を遮り、行かせまいと、さらに俺の腕を自分の方へ引く


すると、上司は軽く頭を下げ、部屋を出てってしまった