「ねぇ沙耶、最近あいつ反応薄くない?」 「…そう?」 私は首を傾げてとぼけた声を出した。 でも内心は、同じことを感じてる。 私達は、ワンパターンなやり口に、由紀が慣れてきているからだと思った。 「なんかつまんないなー」 背中に冷や汗が流れる。 菜々美の矛先が『親友』の私に向けられることはない。 私が恐れていたのは、それが純に向くことだった。