そろそろ他の生徒たちがくる時間帯になっていた。
「またね。王子様。いつかハンカチ返してね」

その王子様が起きるのは桜が立ち去ってから少し経ってからのこと。そして王子様がハンカチに気付いてキレイに微笑んだのを桜は知らない。もう1つ王子様がハンカチの主を探し始めたことも桜は知らない。