side輝

「記憶・・・ないのか?」

「茜・・か?」

「ああ。」

「・・・ないよ。

あいつ、お前が引越して2週間後に事故にあったんだ。

それで1週間目を覚まさなかった。

で、やっと目が覚めたと思ったら

記憶をなくしてた。

だから覚えてないんだよ。

お前の事も

あの夜空の事も。」


「嘘だろっ・・。」

「ほんとなんだよ。」

「じゃあ、勝負は振り出しに戻るな。」

「ああ。そうだなっ。」

「勝っても負けても、

俺らの友情は変わらないからな?」

「当然だよ。」

少し悲しかった。

初めて会ったとき

俺のことわかってなかったのが

わかった。

話しかけたら

図々しいな。

って思われる気がして。

それくらい・・

それくらい茜のことが好きなんだ・・。