「おかえりっ。」

茜はニコっと笑いかけた。

その笑顔が可愛くって、

いつまでもみていたいような笑顔だ。

「茜。帰ろっか?」

「あ、うんっ。」

そう思ってたら

七奈はいつの間にか茜の手を握っていた。

「じゃあな。輝。」

「ばぃばぃっ。輝君っ。」

「おぅ。ばいばい。」

あの手を俺が握りたかった。

そう思ったけど

俺はその手を握る資格がない。

「・・・茜。」

昔に流せなかった分の涙を

流し、俺は

愛しい人の名前を呼んだ。

あの夜空に

誓った約束。

それも忘れたと思ったら

悲しかった。

俺は弱虫なんだ。