一学期終業式が終わってから誰よりも早く下駄箱へ行き、帰宅を急ぐ。
いつもの信号に引っかかる。
「なんでいつも赤なのー」と嘆いていると、
向かい側から僕に手を振る少年がいる。
友達はまだ学校にいるはずなのに、誰だろう。
自分に手を振っているのではないかもしれないと思い、周りを見渡す。
前後左右上下まで全て見た。
どこを見ても人影はない。
「りょうた!」
少年は叫ぶ。
それと同時に信号がかわった。
すると彼は猛スピードで僕に突進してきて、2人でバランスを崩し尻もちをつく。
「りょうたー会いたかったよー!毎日会ってたけど!おれね、早くりょうたに会いたくて学校きたんだ!でもどこにいるか分かんなかったから、外で待ってた!途中でちょうちょ見かけたから追いかけてたら…」
「ちょっと待って!」
少年はきょとんとしている。
「君だれ?」
えー!と悲しそうな顔をした。
その後なにかに気付いたような仕草をし、照れくさそうに
「ゆうただよ!」
と言った。
「ゆうた?ねこの?」
「そうだよ、ねこのゆうただよ!」
「なんでゆうたが人間になってるの?」
「神様に頼んだの!りょうたとお話ししたかったから!うそじゃないよ!」
そう言うとゆうたは撫でて欲しいような仕草をしてすり寄ってきた。
「本当にゆうたなの?」
「うん!この間りょうたがおねしょしたの、内緒にしてるよ!」
確かにこの間おねしょをした。
不幸中の幸いか、シーツはあまり汚れていなかった。
お母さんが起きる前にパンツを取り替えて、様子を見に来たゆうたに「内緒だよ」と言った。
まだ俄かに信じがたいが、これはゆうたかもしれない。
「家帰ろ!遊ぼ!」
と僕の手を引っ張って走り出す。
足がとても速かった。
僕は嬉しくて仕方がなかった。
いつもの信号に引っかかる。
「なんでいつも赤なのー」と嘆いていると、
向かい側から僕に手を振る少年がいる。
友達はまだ学校にいるはずなのに、誰だろう。
自分に手を振っているのではないかもしれないと思い、周りを見渡す。
前後左右上下まで全て見た。
どこを見ても人影はない。
「りょうた!」
少年は叫ぶ。
それと同時に信号がかわった。
すると彼は猛スピードで僕に突進してきて、2人でバランスを崩し尻もちをつく。
「りょうたー会いたかったよー!毎日会ってたけど!おれね、早くりょうたに会いたくて学校きたんだ!でもどこにいるか分かんなかったから、外で待ってた!途中でちょうちょ見かけたから追いかけてたら…」
「ちょっと待って!」
少年はきょとんとしている。
「君だれ?」
えー!と悲しそうな顔をした。
その後なにかに気付いたような仕草をし、照れくさそうに
「ゆうただよ!」
と言った。
「ゆうた?ねこの?」
「そうだよ、ねこのゆうただよ!」
「なんでゆうたが人間になってるの?」
「神様に頼んだの!りょうたとお話ししたかったから!うそじゃないよ!」
そう言うとゆうたは撫でて欲しいような仕草をしてすり寄ってきた。
「本当にゆうたなの?」
「うん!この間りょうたがおねしょしたの、内緒にしてるよ!」
確かにこの間おねしょをした。
不幸中の幸いか、シーツはあまり汚れていなかった。
お母さんが起きる前にパンツを取り替えて、様子を見に来たゆうたに「内緒だよ」と言った。
まだ俄かに信じがたいが、これはゆうたかもしれない。
「家帰ろ!遊ぼ!」
と僕の手を引っ張って走り出す。
足がとても速かった。
僕は嬉しくて仕方がなかった。