( 君の思いと僕の想い )


僕等、広い部屋に二人きり。
彼女と僕は背中合わせに座る。
先ほどまで絶える事のなかった会話がふと途切れた。
(…寝た、のか)

彼女は僕の背に凭れかかったまま眠る。
数分が経つと少し腰が痛み始めた。
人が一番重いのは眠っている時だという。
今僕の背中には彼女の全てがあって。
今僕が痛みから逃れようと動いてしまえば、
彼女は目を覚まし離れてしまうのだろう。

―…この感覚は初めてではない

絶対に動いてはいけない、動けない僕の場所。
少しでも動いてしまえば彼女は僕から離れてしまう。
今までずっと、背中合わせな僕等。
彼女の顔は、表情は見れないけれど
誰よりも君に近い僕の場所。

痛みから逃れる為に動くか、
痛みに耐え彼女を支え続けるか。

離れる事を怖がる僕は、一生この痛みに耐え続けるだろう。
どんなに痛くても、君の一番近い存在で。


( 同じ言葉で違う意味 )




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彼女の言う僕への「好き」は、
何より一番痛かった。

また幼馴染…?
報われる幸せな御話が書きたいです(・ω・`)
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