※続きです(彼女side)




背中を向けて君は歩き出した
交わす言葉もないまま
揺れる心の中子供のように叫んだ
行かないで、行かないで、ねえ

君の背中は今迄私が見てきたもので
でも全く違う背中で
きっとまた冗談だよって、言って
こっちを向いてくれると思ったの
君の最後の言葉
「幸せ過ぎるのは嫌いなんだ」

久々に入る自分の部屋
何もかもあの日のままで
何時も彼と一緒に居た
一人の部屋はもの凄く広いのね
どれだけ泣いても時間はそれ程進まない
君と過ごした時間は
あんなにも短く感じたというのに

"もう限界、だからさよなら"
私は君に無理をさせてしまっていたの?
もう急に会いたいなんて言わないから
もう他の子に嫉妬したりしないから
もう、我儘言わないから
「愛してしまってごめんなさい。」

君が好きだといってくれた笑顔
でも今は作ることも出来ない
涙が止まらないの
もう君が居ないなら泣いてもいいでしょう

もう二度と戻れないの?
ここは始まりか、終りか

一人シングルベッドで眠る夜は長い
広く感じてしまうベッドでまた涙
夢の中で君に会いたかった
今夜は眠れそうにないな
枕は濡れる

一人でも泣かないよう強くなるから
君の記憶にそっと居させて

また
変わらない気持ちで出会えたらいいな
その時まで
「またね」




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END.
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