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「っ、?」
私は目を覚ますと教室、の様な場所に居た。
教室内には見慣れたクラスメイト達が座っている。
でも何か様子が可笑しい。
「…、」


普段はとても騒がしい教室。
それが不自然なくらいに静かなのだ。
(何で皆、こんな静か…と、言うか)
誰かが喋るな、と言ったわけではない。
だがとても声を出せる雰囲気ではなかった。
その空間は、まるであの入学間もない頃の様な緊張感の張詰めた雰囲気を漂わせていた。


それともう一つ、不思議に思う事があった。
自分だけ席が違うのだ。
(私の席は斜め後ろ、だったはずなのに…何で此処?)
今私が座っているのは、自分も良く知っていた男子生徒の席だった。
周りは変わらず名簿順の座席。
自分の席には、元の席だった時、自分の後ろに居た男子生徒が座っていた。
自分の分を詰められていた、と言えば良いだろうか。


可笑しい。何かが可笑しい。
「あ、あのさ」
「…?、」
今まで何度も話した事のある友人に声をかけるも、その表情は全くの初対面で。
会った事のない様な、そんな表情を浮かべている。


私は教室を飛び出した。
走って、走って、走って。
行き先は決まっていない、でもこの異常な空間から逃げたかった。
(どうなってるの…!)
私は廊下を走っていると、誰かにどん、とぶつかった。


「ちょっ、何よ急に走ってきて!危ないでしょう?!」
「は、っ…ぁ」
「何、一年?まだ入ったばかりでも常識くらい分かるでしょう?」
「入った、ばか、り…?」
息が上がって声が出しにくい。
私は肩で息をしながらゆっくりと顔を上げた。
私がぶつかったのは女の、…靴の色からして先輩だ。
「その、っすいません。」
「変な子。何してるのよ、こんな3年の教室の前何て走って。」
「あ、…っの」
可笑しい、可笑しい可笑しい。
私はその女の先輩に問い掛けた。
「先輩にとって、今日は何回目です、か…?」
「え…?何言ってるの?大丈夫、?」
「っごめんなさい、何でもない、です」


私は再び走った。
私は確かに、確かに12月××日を過ごして居た。
記念日を祝って、次の記念日が待ち遠しいだなんて事を考えていたはずなのに。
今日は、4月××日だった。


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次に続きます